山本屋本店


この日はほんとに寒かった。あんまり寒くて、急きょ、ユニクロで首巻を買ったくらい。
夜は、数年前に一度出張で来た際に、山本屋総本店の味噌煮込みうどんを食べておいしかったので、また同じ店で食べようと思っていたのですが、思ったより遠かったので、宿から一番近いエスカの中にある、山本屋本店に行くことに。名古屋は地下街がたくさんありますが、エスカは、新幹線口から一番近いせいか、いわゆる「名古屋めし」のお店がたくさん入っており、観光客には非常に便利な印象です。
夫は味噌煮込みうどん、私はえび天2本入りの味噌煮込みうどん。注文の際に、「生卵入れて大丈夫?」と聞かれ、生卵があまり好きでない夫は「いりません」と答えたところ、「奥さんのほうに2個入れてあげようか」とうれしい配慮(私は卵好き)。
最初に大ぶりの鉢にたっぷり盛られた、白菜の浅漬けをつまみながらしばらく待っていると、ぐつぐつのうどんが到着。普通はご飯と一緒に食べるみたいですが、見た目ほど味は濃くないです。むしろ、赤味噌独特の渋みでさっぱりしているともいえまして、うどんだけで全然問題なし(というか、私的には、このうどんはご飯のおかずにはならない)。麺はみっちり詰まった感じの独特のコシがあり、食べごたえあり。天ぷらはほとんど衣みたいなえび天でしたが、ものすごく香ばしい衣でコクがプラスされて、とてもおいしかった。
ちなみに、私は最初、山本屋総本店と勘違いしたのですが、山本屋総本店と山本屋本店は違う店です。ただ、その違いはあんまりよく分からなく。古い記憶をたどりつつ敢えて違いはと言えば、山本屋総本店のうどんのほうがもっとみっちりした麺だった気がするなぁ、ということくらいでしょうか。あやふやですけど。
とはいえ、どちらにしてもおいしかったことに変りなし。私が、名古屋めしで一番好きなのは、味噌煮込みうどんかもしれません。

まるや本店


名古屋には、「名古屋めし」ともいうべき食べ物がたくさんありますが、今回夫が一番楽しみにしていたのがひつまぶし。名古屋駅から近くて、評判がよさそう…という条件で夫が探してきたのが、名鉄百貨店の中にある「まるや本店」(名鉄店)でした。
13時前に着いたので、お昼時もちょっと外れてるし、すぐ入れるかな…と思ったら、甘かった。すごい行列。ざっと30人は並んでいる感じです。名鉄の中には、山本屋総本店(味噌煮込みうどん)や矢場とんみそかつ)もあって、そこそこ行列ができていましたが、その割合は、まるや本店を10とすると、山本屋総本店が5、矢場とんが1という程度。うどんにするか、違う店に行こうよとも言ったのですが、夫は、土地勘のない場所でごちゃごちゃ動くよりはここで待ったほうがいいと言うし、なにより、ここで食べたいみたいで、じりじり40分待ってようやく入る。思ったよりは、早く入れた気がします。
夫はひつまぶしの上、私はミニで。特上、上、ミニがあり、これらは量の違いです。感覚的には、特上がどんぶり飯山盛り、上がどんぶり飯、ミニが大ぶりのお茶碗、って感じでした。
注文して10分ほどで料理が来たかな。最初は普通に食べ、次に薬味(青ねぎ、大葉、わさび、刻みのり)を乗っけて食べ、最後にだしをかけていただきます。
私は、ひつまぶしって、うなぎのかば焼きを小さく切ったのを乗せたものという認識だったのですが、ここのを食べて、その認識は間違いだった…と初めてわかりました。いわゆる蒲焼よりもしっかり焼かれていて、香ばしく、さっぱりしています。薬味を乗せるとガラッと変わってものすごくおいしい(わさびが美味)。だしは、後から熱々のを出してもらいますが、すごく濃厚でこれだけで飲んでもすごくおいしい。
ホントに三度違った味が楽しめて、ホントにおいしかった。付け合せのおしんこもおいしくて、隅々まで大満足でした。おいしかったー。

たまごかけごはん


数日前に、急に夫が「伊勢神宮でも行ってみんか?」というので、はぁまぁいいんじゃない? とテキトーに返事をしたら、さっそく、前日に名古屋に泊まって、名古屋から行くプランを作ってた。
なんてことはない、要は、夫は名古屋に行ってみたかっただけなのだろう(夫は行ったことのない街に行くのが好きだ。行くことだけが目的で、行った先では何もしない)。だいぶ前から「名古屋で観たい芝居はないのか?」としつこく聞かれていたが、遠征してまで見たい舞台がなかったのでほっておいたら、待ちきれなかったのか、伊勢神宮を引き合いにする作戦に出たと思われる。
まぁでも、伊勢神宮は私も一度は行ってみたかったし、ちょうどいいか。ということで、名古屋・伊勢に一泊で行ってまいりました。記事をため込んでいるので、とりあえず写真だけ先にアップ。おっつけ文字も入れていきますが、いやぁ〜、ホントによく食べた2日間でした。
まずは、おでかけ前に、ちゃちゃっと腹ごしらえ。チンごはんに卵かけごはん。夫には猫まんまかつお節+しょうゆ)。わかめの味噌汁。
私は卵かけごはんは、ご飯にダイレクトに割り入れるタイプです。

千疋屋総本店


国立劇場からバスで新宿に出たので、伊勢丹によってぶらぶらし、千疋屋で目についたバナナオムレットを買って帰宅。
夫がしげしげと見つめるので(夫は見たことがない食べ物は、食べる前にただじーっと見つめることが多い)、「ヤマザキの"丸ごとバナナ"みたいなもんだよ」と言ったら、「何それ?」と言われました。
丸ごとバナナを知らないなんて…と軽くショックを受けたが、説明するのも面倒なんで「まぁ、食べなよ」と勧める。おいしいと言っていたので、よかったよかった。

風月ベーカリー


国立劇場で行われた11月歌舞伎公演を観てきました。
前日にインターネットで取った際は、パラパラとポツン一人席しか残っていなかったのですが、いざ劇場に行ってみると、案外空いている席も多く、何だか不思議な感じ。
とはいえ、休日の公演ということもあってか、弁当は一瞬にして売り切れ、食堂もあっという間に満席(そのお客様たちはどこにいたのだろう)。ほうほうのていで残りわずかなサンドイッチを手にして、やっとこさ食事にありつけた次第。やっぱ国立劇場は、何でもいいから弁当持参で行かんとなぁ。
今日の演目は、「日本振袖始」「曽根崎心中」の2本。国立劇場は、今秋から来春にかけて、45周年記念と銘打って月毎に一人の戯作者をフィーチャーして、それにちなんだ演目を上演しているのですが、11月は近松門左衛門。おかげさまで、どっちも初めての舞台を見ることができました。
「日本振袖始」は、時代物の1本。「出雲国簸の川川岸桜狩の場」「出雲国簸の川川上の場」の二幕構成。本来は全五段構成で、現在では五段目の大蛇退治の場のみ上演されることが多いそうですが、今回は一〜四段をまとめて補綴されたものを序幕に差し入れて上演されています。素戔嗚尊梅玉稲田姫を梅丸、侍女くまざさを松江、足摩乳を東蔵、岩長姫実は八岐の大蛇を魁春
たくさん見てるわけではありませんが、私はどうにも近松門左衛門の時代物はなんかあんまり得意ではなく。ただ、これはこれまで見た時代物の中ではわりにすんなり観られたな、という感想です。補綴されているためストーリーが整理されていて観やすかったのがひとつ、たまたま、つい最近古事記を読み返したばっかりだったのも、とっつきやすかった理由のひとつなのかもしれません。
いわゆるザ歌舞伎的な見ごたえあるシーンも多いのですが、ただ、古典の趣が強いので、中盤眠気を誘うところもところどころあり。周囲を見回すと隣の老夫婦も前にいる外国人の女性三人連れも撃沈しており、少し安堵した私なのでした。そんな中、印象的だったのは、稲田姫を演じた梅丸丈の可憐な美貌。すごくかわいかったです。
もう1本は今日のお目当ての「曽根崎心中」。「生玉神社境内の場」「北新地天満屋の場」「曽根崎の森の場」の三幕構成。天満屋お初に藤十郎、平野屋手代徳兵衛に翫雀、油屋九平次に亀鶴、平野屋主人久右衛門に竹三郎。
今でいうところの純愛ものってことなんでしょうねぇ。みんないい人ばっかりなのに(九平次以外)、金のせいでうまくいかない。比較的現代劇に近い演出がされており(それが昔からそういう演出なのかはわかりませんが)、ぐいぐいテンポよく心中まで進み、中だるみなしで一気に観たな…という感想。
なんつうても、皆さんおっしゃる通り、藤十郎のお初がものすごく、ホントに若い娘(ただの若い娘ではなくて、恋する若い娘)にしか見えないところが、芸の力というか、怖さというか、まぁホントにすごかったです。

さといもと玉こんにゃくの煮物


出かける前にさといもと玉こんにゃくで煮物を作っていたので、晩御飯はこれで済ませてお酒をちょいと。
で、私は煮物が苦手なのですが、今日の煮物は食べた本人もびっくりするほどおいしかったのでした。煮加減はねっとり柔らかく、味のしみ具合もばっちり。
なんでこんなにおいしくできたのかなぁ…、いつもより高いさといも(有機栽培の)を使ったから? さといもの皮を薄く剥いたから? (普段は包丁で分厚く剥いているのですが、今日は皮むき器で薄く剥いた)、たっぷりの煮汁で強火で一気に仕上げたから? 理由は分かりませんが、近いうちにもう一度作らねば…。まぁとにかくおいしかったです。
後は、甘えびの塩辛、かぶときゅうりの浅漬け。